Perspective

COVID-19:不確実性のエピデミック:うわさ、陰謀論、ワクチン接種へのためらいの広がり方

Nature Medicine 28, 3 doi: 10.1038/s41591-022-01728-z

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についての「インフォデミック(infodemic)」、つまり正確な情報と不正確な情報の両方が急速に拡散する現象は、この病気のパンデミック(世界的大流行)の終結を目的としたワクチン接種の取り組みに対する信頼を損ない続けている。しかし、ワクチン接種へのためらいは、情報と知識のエコシステムにとっての難問というだけではなく、ワクチン自体とはほとんど関係がないことも多い。本稿では、COVID-19によってもたらされた疫学的危機と社会的危機が、すでに広く存在していた社会的不安や信頼の問題を拡大し、この世界的パンデミックという特殊な状況下でワクチンに対する懐疑的な見方をさらに深刻化させたことについて論じる。我々は、ワクチン接種へのためらいを克服するには信頼が極めて重要であること、とりわけパンデミックによってもたらされた社会的な不確実性が広がり、世論が変わりやすい状況では、信頼が欠かせないことを主張したい。また、ワクチンへの信頼を築くための戦略に関して、この論説から引き出せるいくつかの結論を示す。

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