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COVID-19:AD5-nCOVとCoronaVacによる異種ワクチン接種とCoronaVacによる同一種ワクチン接種の比較:無作為化第4相試験

Nature Medicine 28, 2 doi: 10.1038/s41591-021-01677-z

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)変異株の出現と、ワクチンで誘導された中和抗体の減少は、当初CoronaVacの接種を受けた被接種者は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの追加接種が必要となる可能性を示唆している。我々は、当初CoronaVacのワクチン接種を受けた成人で、組換え5型アデノウイルス(AD5)ベクターを用いたCOVID-19ワクチンConvideciaを異種ブースターとした場合と、CoronaVacを同種ブースターとした場合の安全性と免疫原性を、現在進行中の無作為化観察者盲検並行群間比較第4試験(NCT04892459)で評価した。過去3~6か月間にCoronaVac接種を2回受けた成人で、Convideciaを接種したのは96人、CoronaVacを接種したのは102人だった。また、過去1~3か月間にCoronaVacを1回接種した成人で、Convideciaを追加接種したのは51人、CoronaVacを接種したのは50人だった。主要評価項目は、ワクチン追加接種後28日以内の有害反応の発生と、ブースター免疫ワクチン接種後14日目での野生型SARS-CoV-2生ウイルスに対する中和抗体の幾何平均力価(GMT)の2つとした。ワクチン接種後の有害反応の頻度はConvidecia接種者で有意に高かったが、いずれの投与群でも総じて軽度から中等度だった。以前にCoronaVacを1回または2回接種した被験者では、Convideciaによる異種ブースト接種の方が、CoronaVacによる同種ブースト接種よりも、SARS-CoV-2に対する中和抗体のGMTの有意な増加を引き起こした。これらのデータは、最初にCoronaVacのワクチン接種をした後のConvideciaによる異種ブースト接種は、安全かつ同種ブースター接種よりも免疫原性が高いことを示唆している。

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