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火星探査は健康に利益をもたらす!

Nature Medicine 28, 2 doi: 10.1038/s41591-021-01665-3

宇宙への旅は人体に負担をかける。数日後には、激しい生理学的変化が始まり、筋は萎縮し骨格は弱くなり免疫系が衰える。多量の放射線にさらされ、さまざまな病気にかかりやすくなる。そこで、これらに対処するためにさまざまな技術が開発されている。それらのうち、遠隔医療、携帯型超音波診断装置、空気清浄機、重力補償ボディスーツなどは、すでに地上の医療現場にも取り込まれている。だが、時間がかかる火星への旅ではさらなる医学的進歩が必要だ。宇宙飛行士を冬眠させる方法は、移植組織や臓器の凍結保存に役立つかもしれない。また放射線から保護するために、出発前に遺伝子治療を行って細胞修復を促進する方法も研究されており、これも放射線治療の有害な影響を抑えることなど、多くの臨床用途につながる。さらに、微小重力状態は、アルツハイマー病などに関与するアミロイドタンパク質の研究や、人工網膜の作製などに利用できる。このように、宇宙でのミッションは人類に、今はまだSFにすぎない多くの恩恵をもたらすものになりそうだ。

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