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濾胞性リンパ腫:成人の再発性または難治性の濾胞性リンパ腫でのチサゲンレクロイセル:第2相ELARA試験

Nature Medicine 28, 2 doi: 10.1038/s41591-021-01622-0

チサゲンレクロイセルは自己抗CD19キメラ抗原受容体 T細胞療法であり、再発性/難治性(r/r)B細胞リンパ腫の患者で臨床的意義のある結果が示されている。r/r濾胞性リンパ腫(FL)でのチサゲンレクロイセルの以前に行われたパイロット研究では、患者の71%が完全奏効(CR)を達成した。本論文では、2種類以上の治療を受けた後に、あるいは自家幹細胞移植の後に再発したr/r FL成人患者を対象としたチサゲンレクロイセルの第2相ELARA国際共同試験(no. NCT03568461)の事前に指定された中間解析の主な結果を報告する。主要評価項目はCR率(CRR)であった。副次評価項目には、全奏効率(ORR)、奏効期間、無増悪生存期間、全生存期間、薬物動態、安全性が含まれていた。 2021年3月29日の時点で、97/98人の登録患者がチサゲンレクロイセルの投与を受けた(追跡期間の中央値16.59か月、四分位範囲13.8~20.21)。主要評価項目は満たされた。有効性評価セット(n =  94)では、CRRは69.1%(95%信頼区間58.8~78.3)、ORRは86.2%(95%信頼区間77.5~92.4)であった。安全性評価セット(n =  97)では、注入から8週以内のサイトカイン放出症候群の割合は48.5%(グレード3以上の有害事象は0%)、神経学的事象は37.1%(グレード3以上の有害事象は3%)、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)は4.1%(グレード3以上の有害事象は1%)であり、治療関連の死亡はなかった。チサゲンレクロイセルは、高リスク患者を含む、複数回の前治療を受けたr/r FLで安全かつ有効である。

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