Article

公衆衛生:All of Us研究プログラムで見られた時間当たりの歩数と慢性疾患リスクとの関連

Nature Medicine 28, 11 doi: 10.1038/s41591-022-02012-w

身体活動とヒト疾患の間の関連が、電子健康記録と連携させた市販のデバイスを使って調べられたことはない。我々はAll of Us研究プログラムで得られた電子健康記録データを使って、参加者自身のFitbitデバイスで記録された歩数が、ヒトフェノームの全体にわたって慢性疾患のリスクと関連していることを明らかにした。この研究の参加者6042名では、73%が女性、84%が白人、71%が大学卒、参加者の年齢の中央値は56.7歳(四分位範囲41.5〜67.6歳)、ボディーマス指数は28.1(24.3〜32.9)kg m−2であった。参加者の活動モニタリング期間中央値は4.0(2.2〜5.6)年であり、その間の1日当たりの歩数の中央値は7731.3(5866.8〜9826.8)歩で、モニタリングの総計は590万人・日となった。1日当たりの歩数と発生した疾病との間について、肥満(n = 368)、睡眠時無呼吸(n = 348)、胃食道逆流症(n = 432)および大うつ病性障害(n = 467)では直線的な逆相関関係が見られ、一日当たり8200歩以上という歩数が発症防止と関連していた。糖尿病(n = 156)と高血圧(n = 482)の発症と歩数との関係は非線形的で、また8000〜9000を超える歩数でもさらなるリスク低下は見られなかった。より多様なサンプルでの検証が必要ではあるが、これらの知見は、疾患リスクを低下させるのに必要な活動レベルに関する臨床ガイダンスのための、リアルワールドで得られた証拠基盤を示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度