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NASH:非アルコール性脂肪性肝炎でのエフルキシフェルミン:無作為化二重盲検プラセボ対照第2a相臨床試験

Nature Medicine 27, 7 doi: 10.1038/s41591-021-01425-3

繊維芽細胞増殖因子21(FGF21)は繊維化を防ぎ、代謝状態を改善し、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療する可能性があることが、前臨床データと臨床データで示唆されている。我々は、長時間作用型Fc-FGF21融合タンパク質であるエフルキシフェルミンのNASH治療での安全性と有効性を評価した。BALANCEDは、NASH患者が対象の無作為化プラセボ対照試験で、米国の27の施設で実施された(ClinicalTrials.gov NCT03976401)。肝臓脂肪含有量(HFF)と繊維症の段階によって層別化された80人の患者は、プラセボ投与群(n = 21)、エフルキシフェルミン28 mg投与群(n = 19)、エフルキシフェルミン50 mg投与群(n = 20)、エフルキシフェルミン70 mg投与群(n = 20)に1:1:1:1になるように、一元管理された最小化アルゴリズムを用いて無作為に割り付けられた。投与は週1回の皮下注射により16週間にわたって行われた。主要評価項目(12週目の磁気共鳴画像法–プロトン密度脂肪率で測定されたHFFのベースライン値からの絶対変化)は満たされた。完全な解析セットでは、HFFのベースライン値からの絶対変化の最小二乗平均(片側97.5%信頼区間)は、28 mg群で−12.3%[−無限大(−inf)、−10.3]、50 mg群で−13.4%(−inf、−11.4)、70 mg群で−14.1%(−inf、−12.1)であるのに対し、プラセボ群で0.3%(−inf、1.6)で、エフルキシフェルミン群とプラセボ群の間で統計的に有意な差が見られた(それぞれP < 0.0001)。全体としては、治験薬を投与された79人の患者のうちの70人(89%)は治療薬投与中に発生した有害事象(TEAE)を少なくとも1つ経験していて、その大多数はグレード1~2[64人(81%)]であり、グレード3は5人(6%)、グレード4は1人であった。報告された治験薬関連TEAEで最も一般的だったのは、グレード1~2の胃腸症状[36人(46%)]だった。エフルキシフェルミンによる治療は、F1~F3段階のNASH患者のHFFを有意に低下させ、安全性プロファイルは許容できるものだった。

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