Analysis

COVID-19:米国内でのCOVID-19ワクチンの公平な分配

Nature Medicine 27, 7 doi: 10.1038/s41591-021-01379-6

ワクチン配給のガイドラインの多くは、計画者は不公平性を認識すること、そして理想的にいえばそれを減らすことを強く勧めている。米国では、分配の枠組みは、疾病管理予防センターの64の管轄区域(50の州とコロンビア特別区、5都市、8地区)のそれぞれによって決定される。本研究では、2020年11月8日までに公表されたワクチン割り当て計画を解析し、2021年3月30日まで通して更新を追跡した。不公平性の低減に関する提案を管轄当局が採用したかどうかは、社会的格差指標とそれに関連する地域ベースの基準を用いて評価した。2021年3月30日までに、14の管轄当局は、特定の郵便番号を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発生率のような指標と組み合わせることで優先順位付けを行い、37の管轄当局(34の州を含む)は社会的格差指標を採用した(2020年11月には指標採用は19の管轄当局だけだった)。経済的に恵まれていない地域が最大の割合を占める区域では、社会的格差指標の採用が7から14へ倍増した。適用例は以下の5つに分けられる。すなわち、(1)経済的に恵まれないグループを、ワクチンまたはワクチン接種予約の割合を増やすことで優先する、(2)優先するグループまたは地域を明確に決める、(3)行政による現場出張サービスやコミュニケーションなどの実情に合わせた調整、(4)ワクチン接種場所の配置計画、(5)ワクチン接種済み証のモニタリングである。公平性が分配計画の中心として考慮されることを確実にするには、連邦や州、地域レベルの政策立案者は、社会的格差指標とそれに関係する地域ベースの基準の採用を広く取り上げるべきである。

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