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肥満:英国の出生コホートでのメラノコルチン4受容体の機能喪失変異

Nature Medicine 27, 6 doi: 10.1038/s41591-021-01349-y

メラノコルチン4受容体遺伝子(MC4R)の変異は肥満と関連付けられているが、このような変異の保有率や、ヒトの成長や発達を通じて及ぼす影響についてはほとんど分かっていない。今回我々は、MC4Rのコード配列をALSPAC(Avon Longitudinal Study of Parents and Children)の5724人の参加者で調べ、MC4Rの全ての非同義変異体の機能的な特徴付けを行い、それらの変異体と小児期から成人期早期までの人体計測表現型との関連を調べた。MC4Rでのヘテロ接合性機能喪失(LoF)変異の頻度は、337人に1人(0.30%)で、これまでの推定値よりもかなり高かった。18歳の時点で、LoF変異の保因者と非保因者の間での平均差は、体重で17.76 kg(95%CI 9.41〜26.10)、ボディマス指数で4.84 kg/m2(95%CI 2.19〜7.49)、脂肪量で14.78 kg(95%CI 8.56〜20.99)であった。MC4RのLoF変異は、これまでに報告されていたよりも一般的である可能性があり、このような変異体の保因者は、成人期に入る際に過剰脂肪というかなりの負荷を負っている可能性がある。  

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