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COVID-19:イタリアでのワクチン接種開始、SARS-CoV-2変異株、および非医薬品介入の必要条件のモデル化

Nature Medicine 27, 6 doi: 10.1038/s41591-021-01334-5

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の臨床ケアは進歩してきたが、パンデミック(世界的大流行)に対処するには集団規模での介入が依然として必要であり、パンデミックの状況は伝播性の高い新規変異株の出現によって悪化している。本研究では、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の感染拡大を予測するSIDARTHEモデルを、死亡者数とヘルスケアシステムのコストに新規症例を投影するという、データをベースとする新しいモデルと組み合わせた。我々は、イタリアでの症例研究に基づいて、進捗状況が多様な大規模ワクチン接種キャンペーン、新しい変異株に起因する多様な伝播率、またオープン&クローズ状態の変更を含む強制的に行われた種々の対策など、複数のシナリオの概要を示す。その結果、非医薬品介入(NPI)はワクチン接種単独よりもエピデミックの展開に対して高い影響があることが明らかになった。このことは、ワクチン接種キャンペーンの最初の段階中はNPIを維持する必要があることを示している。我々のモデルは、2021年4月から2022年1月まで、ワクチン接種が開始されず、緩いNPIが行われたというシナリオ(R0 = 1.27)では、COVID-19に関連した死亡者数は29万8000人に上る可能性があると予測した。しかし、ワクチン接種が迅速に開始されれば、死亡者数は5万1000人にまで減らせる可能性がある。また、制約度の高いNPI(R0 = 0.9)を実施した場合は、ワクチン集団接種を行わなくてもCOVID-19の死亡者数は3万人まで減り、NPIと同時にワクチン接種を迅速に開始すれば1万8000人まで減る可能性がある。我々はさらに、断続的なオープン&クローズ戦略を採用し、最初にクローズを実施することで、社会経済学的損失を大きく悪化させることなく、死亡者数(ワクチン接種が遅い場合は4万7000~2万7000人)とヘルスケアシステムのコストを削減できることも示す。

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