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がん治療:腎細胞がんでのベルズチファンによる低酸素誘導因子2αの阻害:第1相臨床試験およびバイオマーカー解析

Nature Medicine 27, 5 doi: 10.1038/s41591-021-01324-7

低酸素誘導因子2α(HIF-2α)は転写因子であり、淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)でしばしば蓄積が見られ、その結果として発がんに関与する遺伝子群の構成的活性化が引き起こされる。ベルズチファン(Belzutifan、別名MK-6482、以前はPT2977として知られていた)はHIF-2αの強力で選択的な小分子阻害剤である。このFIH(first-in-human)第1相試験(NCT02974738)では、ベルズチファンの最大耐量、安全性、薬物動態、薬力学的性質、抗腫瘍活性が評価された。患者は、進行性固形腫瘍を持つ(用量漸増コホート)、もしくはこれまでに治療を受けた進行性ccRCCを持つ(用量拡大コホート)。ベルズチファンは3 + 3用量漸増デザインを用いて経口投与され、その後にccRCC患者では第2相推奨用量(RP2D)での拡大投与を行った。用量漸増コホート(n = 43)では、1日1回最大160 mgまでの用量で用量制限毒性は発生せず、最大耐量に達することはなかった。RP2Dは1日1回120 mgであった。血漿エリスロポエチンの減少が全ての用量で観察された。また、エリスロポエチン濃度は血漿ベルズチファン濃度と相関していた。1日1回120 mgの投与を受けたccRCC患者(n = 55)では、確認された客観的奏効率は25%(全て部分奏効)であり、無増悪生存期間の中央値は14.5か月であった。最もよく見られたグレード3以上の有害事象は、貧血(27%)と低酸素症(16%)であった。ベルズチファンは耐容性が良好で、強力な前治療を受けた患者で予備的な抗腫瘍活性を示したことから、HIF-2α阻害はccRCCの効果的な治療法になると考えられる。     

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