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FOCUS 次に最大の脅威となる微生物

Nature Medicine 27, 3 doi: 10.1038/s41591-021-01264-2

世界の医療専門家の多くは今後しばらく、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)ウイルスが引き起こした現在進行中のパンデミック(世界的大流行)から目を離せないだろうが、これと同じようなウイルスや微生物が再度、世界的大量殺戮を引き起こす可能性は高い。未知の、想像しようもない病気が最も恐ろしいと考える人たちもいるが、専門家によれば、既知の疾患の中にも懸念されるものは多い。脅威となる可能性が最も高いのは20世紀初めに世界で推定5000万人の死亡を引き起こしたことがあるインフルエンザウイルスであり、このウイルスと同じく、ヒトからヒトへと効率的に伝播する呼吸器コロナウイルスにも警戒が必要と考えられている。こうした既知の病原体に対しては、薬剤耐性の問題も重大である。また、ヒトに感染する動物ウイルスの脅威も高まっている。その一例はエボラウイルスで、この種の感染はSARS-CoV-2感染よりはるかに死亡率が高い。そして、SFに出てきそうな致死性や感染性の高い感染症を引き起こす未知の病原体に対しては、よく考えられた監視システムや警告システムを構築して、アウトブレイク(集団発生)の前に対処する備えが必要である。世界が微生物の脅威から解放されることはないかもしれないが、科学研究と技術が協力することで、制御不能な事態が起こる確率は大幅に下がるだろう。こうした対策が成功するかどうかは、我々が策を尽くして、このような感染症の一歩先を行くことに懸かっている。

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