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COVID-19:小児でのSARS-CoV-2への防御的感染および病因的感染の液性免疫シグネチャー

Nature Medicine 27, 3 doi: 10.1038/s41591-021-01263-3

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のパンデミック(世界的大流行)は、呼吸不全や死亡を高頻度で引き起こしながら、収まる気配もなく広がり続けている。小児が経験するのは無症候性の感染がほとんどだが、まれに小児多臓器炎症性症候群(MIS-C)が起こることが報告されている。小児でこのような本質的に異なる臨床表現型が生じる免疫機構を明らかにすることは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症機構についての重要な手掛かりにつながるかもしれない。本研究では、システム血清学の手法を用いて、急性の軽症COVID-19に罹患した25人の小児でSARS-CoV-2に対する機能的な食細胞活性化や補体活性化を誘導するIgG応答を観察した。これらは、軽症の成人で見られる急性反応に類似していた。これとは逆に、疾患が重篤な成人ではIgAおよび好中球の応答が大幅に拡大していた。また、MIS-Cを発症した小児では、SARS-CoV-2感染の寬解の数週間後にも炎症性の高い単球を活性化するSARS-CoV-2 IgG抗体が維持されていて、これは小児の急性疾患とは異なっているが、抗体レベルは回復期の成人のレベルと同程度だった。まとめると、これらのデータは、疾患重症度の差異やSARS-CoV-2に感染した小児での予想外の合併症の基盤となっていると考えられるIgGとIgAの作用機構についての極めてまれな手掛かりをもたらしている。

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