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疫学:ラテンアメリカの363都市における平均余命と死亡率

Nature Medicine 27, 3 doi: 10.1038/s41591-020-01214-4

よく言われる「健康についての都市の優位性」という考え方は、都市間で健康転帰にばらつきがある可能性を無視している。我々は、SALURBALプロジェクトの調整されたデータセットを使ってラテンアメリカの9つの国にわたる363の都市での平均余命の変動性と予測因子を説明し、死亡率を補正した。平均余命は同一国内の都市間でかなり異なっていた。死因別死亡率も都市間で違いがあり、一部の死因(不慮の事故や暴力による傷害や死亡)は同一国内の都市間で大きなばらつきがあったが、その他の死因(伝染性疾患、母体や新生児の疾患、栄養障害、がん、心血管疾患、その他の非伝染性疾患)は、国の間でかなりの違いが見られた。多変量混合モデルでは、教育、水へのアクセス、衛生のレベルがより高く、過密性がより低いことが、より長い平均余命、伝染性疾患、母体死亡や新生児死亡、栄養性疾患による死亡の割合が比較的低いことと、がん、心血管疾患、その他の非伝染性疾患による死亡の割合がより高いことに関連していた。これらの結果は、ラテンアメリカの都市間で平均余命や死因がかなり異なっていることを示しており、ラテンアメリカの都市だけでなく通常は他の都市環境でも、都市における健康の改善を目標とする政策で対処できる修正可能な諸因子を明らかにしている。

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