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COVID-19:症候性および無症候性のSARS-CoV-2感染に対する防御の相関因子

Nature Medicine 27, 11 doi: 10.1038/s41591-021-01540-1

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの世界全体への供給は依然として不足している。防御を予測できる免疫応答が解明されれば、新規ワクチンの迅速なライセンス化が促進される可能性がある。ChAdOx1 nCoV-19(AZD1222)ワクチンの英国での無作為化有効性試験のデータの解析が行われ、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する防御に関連する抗体レベルが明らかになった。ワクチン接種を受けた感染者および非感染者で、2回目接種後28日目の結合抗体と中和抗体が測定された。全ての免疫マーカーのレベルが高いことが、低い症候性感染リスクと相関していた。SARS-CoV-2の主要な変異株アルファ(B.1.1.7)への症候性感染に対して80%のワクチン有効性が達成されたのは、264[95%信頼区間(CI):108、806]結合抗体ユニット(BAU)/ml、抗スパイク抗体と抗RBD抗体では506[95%CI:135、計算不能(NC、データ範囲を超過)BAU/ml]、またシュードウイルスおよび生ウイルスに対する中和は、それぞれ26(95%CI:NC、NC)国際ユニット(IU)と247(95%CI:101、NC)標準化中和価(NF50)であった。免疫マーカーは5%有意水準では無症候性感染と相関しなかった。これらのデータは検証されたアッセイを用いて新たな集団への橋渡しをする際に使用でき、また新規COVID-19ワクチンに対して有効性の推定値を外挿することができる。

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