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ウエアラブルデバイス:ウエアラブルデバイスで測定した身体活動と将来の健康リスク

Nature Medicine 26, 9 doi: 10.1038/s41591-020-1012-3

身体活動をモニターするウエアラブルデバイスの使用は、5年間で5倍以上増加すると予測されている。本論文では、デバイスで測定した身体活動エネルギー消費量(PAEE)とさまざまな身体活動強度プロファイルが、全死因死亡率とどのように関連するかを調べた。ネットワークハーモナイゼーションの手法を用いて、英国バイオバンクの参加者9万6476人(平均年齢62歳、女性56%)で利き腕の手首の加速度をPAEEにマッピングした。また、中高強度身体活動(MVPA)から蓄積されたPAEEの割合も計算した。中央値3.1年(30万2526人年)の追跡期間で、732人の死亡が記録された。一定の割合のMVPAに対しては、PAEEが高い方が全死因死亡率のより低いハザード比と関連していた〔例えば、MVPAから10%とすると、PAEEが20 kJ/kg/dの場合には、15 kJ/kg/dの場合よりもハザード比は21%(95%信頼区間4~35%)低くなった〕。同様に、PAEEが一定ならば、MVPAの割合が高いほど、ハザード比は低くなるという関連が見られた〔例えば、PAEE量を15 kJ/kg/dで固定すると、MVPAからの割合が10%と20%で比較すると、20%の方がハザード比が30%(95%信頼区間8~47%)低くなった〕。我々の結果は、PAEE量が多いほど死亡率が低下するという関連が見られること、また、同じPAEE量を強度の低い身体活動を介して達成するよりも、強度の高い身体活動を介して達成する方が死亡率はより大きく低下するという関連が見られることを示している。デバイスで測定された身体活動とエネルギー消費量を関連付けることによって、個別化された予防のためのウエアラブルデバイス使用の枠組みが作り出された。

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