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髄膜播種:髄膜がん腫症患者でのペンブロリズマブの単群非盲検第2相試験

Nature Medicine 26, 8 doi: 10.1038/s41591-020-0918-0

転移性がん患者でがんの髄膜播種(LMD)を発症する割合は増加してきており、その生存率は非常に低い。我々は、固形悪性腫瘍とLMDの患者で、ペンブロリズマブの単群第2相研究を行った(NCT02886585)。患者は、明確な増悪や許容できない毒性が認められるまで、3週間ごとに200 mgのペンブロリズマブ静脈内投与を受けた。主要評価項目は3か月後の全生存率(OS3)とした。副次的目的には、毒性、奏効率、頭蓋内もしくは頭蓋外での疾患進行までの時間が含まれる。サイモン2段階デザインを用いて、OS3を18%とする帰無仮説と43%とする対立仮説を比較した。20人の患者(乳がん17人、肺がん2人、卵巣がん1人)が、少なくとも1回のペンブロリズマブ投与を受けた事前指定評価グループに登録された。生存患者の追跡期間の中央値は6.3か月(範囲:2.2~12.5か月)だった。少なくとも治療に関連する可能性のあるグレード3以上の有害事象を1回以上経験した患者の割合は40%であり、最も頻度が高かったのは高血糖(n = 6)、吐き気(n = 7)および嘔吐(n = 7)である。20人中12人の患者(OS3:0.60、90%信頼区間:0.39~0.78)は登録後3か月の時点で生存していたので、研究の主要評価項目は満たされた。ペンブロリズマブは安全で、投与は実行可能であり、LMD患者で有望な活性を示した。どのようなLMD患者でペンブロリズマブが有効となるかを明らかにするには、さらなる研究が必要である。

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