Perspective

公衆衛生:公衆衛生分野でオープンな病原体ゲノム解析を支援するための10の推奨事項

Nature Medicine 26, 6 doi: 10.1038/s41591-020-0935-z

公衆衛生機関では、サーベイランスや疫学調査を支援するのに病原体のゲノム塩基配列データを使うことが増えている。全ゲノム塩基配列解読結果へのアクセスが増大するにつれて、より大量の分子データが、COVID-19のような疾患のアウトブレイクの検出および追跡、感染連鎖の調査、抗生物質抵抗性の拡大などの大規模な集団動態の調査を行う能力の向上を助けるのに使われるようになった。しかし、全ゲノム塩基配列解読を幅広く取り入れることは、公衆衛生機関に新たな難問、つまりこれまで知らなかった専門知識の支援に慣れなくてはいけないという問題を課すことにもなっている。これは、ゲノムデータの組み立てや解析を行える部署が、塩基配列解読自体の採択に見合うほど広がっていないことを意味している。本稿では、あらゆる所得状況の国の公衆衛生機関での病原体ゲノム解析を支援するために、アクセス可能で統合されたインフォマティックエコシステムを開発するための推奨事項を示す。このようなエコシステムの作成により、行政機関はデータ、ワークフロー、解析を効果的かつ効率的に共有できるようになり、従って病原体ゲノム解析の再現性、アクセス可能性、監査可能性が上昇する一方で、行政機関の自主性も支援できると期待される。

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