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COVID-19:COVID-19のエピデミック拡散を抑えるための「シールド免疫」のモデル化

Nature Medicine 26, 6 doi: 10.1038/s41591-020-0895-3

COVID-19のパンデミックは世界的な危機を引き起こし、2020年4月9日の時点で全世界の感染確定症例は143万を上回り、診断確定後の死亡は8万5000例を超えている。新規感染の低減と抑え込みは、公衆衛生管理の2つの主な戦略となっている。この2つの戦略は共に、人と人との交流の制限によって新たな感染を減少させることに重点を置いており、こうした制限は社会的にもまた経済的にも、長期的持続は不可能と思われる。我々は、血清学的検査によって感染から回復した人を見つけ出し、それらの人々をフォーカルポイントとして配置して交流者を置換することによって、より安全な交流を維持するという疫学的介入モデルを開発し、解析を行った。我々が集団スケールでの「シールド免疫」と名付けたこの方法は、人同士の交流を置き換えていくというものである。シールド免疫戦略の目的は、伝播の確率を低下させながら、不可欠な商品流通とサービスを機能させるのに必要な交流の維持を助けることである。シールド免疫という我々の手法は、今回のアウトブレイクの期間を相当度短縮し、全体的な負荷をかなり軽減できる可能性があり、またソーシャル・ディスタンシングと相乗的に働くと考えられる。また、血清学的検査は、流行範囲の推定や血漿ベースの治療法開発に役立つというよく知られた役割に加えて、流行への介入戦略の一部としても有用であることが、今回のモデルによってはっきりした。

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