Analysis

リウマチ:リウマチ研究での第2相および第3相無作為化対照試験における有効性結果

Nature Medicine 26, 6 doi: 10.1038/s41591-020-0833-4

薬剤全般にわたって、第3相試験は開発の際の基幹だが、先行の第2相研究によって設定された予想通りにはならないことが多い。今回我々は、関節リウマチと乾癬性関節炎の標的化疾患修飾性抗リウマチ薬を調べた全ての無作為化二重盲検対照試験を、体系的なメタ解析により評価した。ACR20改善(米国リウマチ学会による基準)の主要評価項目について、有効性の過大評価の決定因子候補の探索など、ロジスティック回帰混合モデルによる比較を行った。関節リウマチでは、第2相試験の結果は、続く第3相試験の結果を体系的に過大評価していた(第2相と第3相のACR20を比較したオッズ比;1.39、95%信頼区間;1.25~1.57、P < 0.001)。乾癬性関節炎の臨床試験データも同様だったが、統計的有意差は認められなかった(第2相と第3相のACR20を比較したオッズ比;1.35、95%信頼区間;0.94~1.94、P = 0.09)。有効性調査結果で観察された違いの大部分は、包含基準に含まれる差異により説明される。今回の知見は、新たな治療法の開発や試験に関わる全ての関係者に影響があるだけでなく、倫理的意味も含んでいる可能性がある。

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