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大麻:母親の妊娠期間中の大麻使用と子の神経発達転帰

Nature Medicine 26, 10 doi: 10.1038/s41591-020-1002-5

妊娠中の大麻使用は増加しており、多数の女性が妊娠期間中を通して使用し続ける。娯楽用の大麻が多くの法域で合法化されるのに伴い、出生前の大麻曝露に関係して幼児期に有害な転帰が生じる可能性が懸念されている。今回我々は、居住州に提出される出生届(妊娠中の大麻使用に関する情報を含む)を使って、カナダ・オンタリオ州での2007年4月1日から2012年3月31日までの全ての生児出生について後ろ向き解析を行った。まず、妊娠および出生のデータを州の健康管理データベースと結び付け、小児の神経発達転帰を確認した。次いで、交絡を制御するためのマッチング手法やコックス比例ハザード回帰モデルを用いて、出生前の大麻使用と小児の神経発達との関連性を検討した。その結果、母親の妊娠中の大麻使用と、その子どもでの自閉症スペクトラム障害の発症率との間に関連があることが分かった。自閉症スペクトラム障害発症と診断される率は、大麻に曝露された小児では1000人・年当たり4.00であり、それに比べて非曝露の小児では2.42であった。マッチするコホートでの十分に補正されたハザード比は1.51(95%信頼区間:1.17~1.96)となった。知的障害や学習障害の発生率は、統計学的なロバストさは劣るが、妊娠中に大麻を使用していた母親の子どもで高かった。残余交絡の見込みを考慮して、これらの知見の解釈は慎重に行うべきである。

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