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老化:縦断的ディーププロファイリングにより明らかになった個別老化マーカーとエイジオタイプ

Nature Medicine 26, 1 doi: 10.1038/s41591-019-0719-5

老化と共に起こる分子的変化は、十分理解されていない。今回我々は、29歳から75歳までの106人の健常者について、縦断的なディープマルチオミクスプロファイリングを行い、転写産物、タンパク質、代謝物、サイトカイン、微生物、臨床検査値などを含むさまざまなタイプの「オミクス」測定値が、老化とどのように相関するのかを調べた。老化に関連する既知のマーカーと新規のマーカーの両方に加えて、インスリン抵抗性の被検者をインスリン感受性の被験者と比較することで老化に固有の分子パターンが明らかになった。縦断的セッティングでは、2~3年という短い時間枠でレベルが変化する個別の老化マーカーを特定した。また、個人ごとに異なる老化パターンが明らかになり、これは「エイジオタイプ(ageotype)」と命名された。これは、個々人で時間経過とともに変化する数種類の分子経路に基づくものである。エイジオタイプは、個々の老化の分子レベルでの評価となる可能性があり、ライフスタイルや病歴を反映していて、こうした情報は究極的には、老化過程の監視と介入に役立つかもしれない。

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