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マイクロバイオーム:妊娠中の膣マイクロバイオーム動態に見られる民族的多様性

Nature Medicine 25, 6 doi: 10.1038/s41591-019-0465-8

女性生殖器のマイクロバイオームは、女性のリプロダクティブヘルスに影響を及ぼす。我々は、満期分娩を経験した女性からなる2つのコホートで膣のマイクロバイオームを調べた。コホートの1つは、妊娠女性613人および非妊娠女性1969人を横断的にサンプリングしたコホートで、民族、在胎週数と世帯収入についてケースマッチさせたアフリカ系、ヒスパニック系もしくはヨーロッパ系祖先を持つ妊娠女性300人と非妊娠女性300人に注目したものであり、もう1つは、アフリカ系もしくは非アフリカ系祖先を持つ妊娠中の女性90人を縦断的にサンプリングしたコホートである。これらの女性では、妊娠期間中に膣マイクロバイオームのプロファイルの移行が起こり、膣のディスバイオーシスと関連することが多い分類群が減った代わりにLactobacillusが優勢となった。こうした移行は妊娠初期に起こって予想可能なパターンに従っており、マイクロバイオームの代謝能力の単純化と関連していて、アフリカ系もしくはヒスパニック系の祖先を持つ女性でのみ顕著だった。このような傾向には、遺伝的要因と環境要因の両方が関わっている可能性があり、考えられる環境的影響として社会経済的状況が挙げられる。

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