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マイクロバイオーム:膣マイクロバイオームと早産

Nature Medicine 25, 6 doi: 10.1038/s41591-019-0450-2

早産の発生率は、全世界で10%を超えている。早産の頻度は、国内の各集団間で大きな差異があり、米国ではアフリカ系祖先を持つ女性のリスク負担が不釣り合いに大きい。本研究では、統合ヒトマイクロバイオームプロジェクトの一環として、約1万2000サンプルからの「オミクス」データを含む社会情報源について報告する。早産45例と対照群としての満期分娩90例から得られた16SリボソームRNA、メタゲノミクスプロファイル、メタトランスクリプトミクスプロファイルおよびサイトカインプロファイルの縦断的解析から、アフリカ系祖先を持つ女性が多いこのコホートで、早産の兆候が明らかになった。早産の女性では、乳酸菌の一種であるLactobacillus crispatusの膣内レベルが有意に低く、BVAB1、Sneathia amnii、TM7-H1、Prevotella属の一群と他の9つの分類群のレベルが上昇していた。ここではBVAB1とTM7-H1の初めての代表的なゲノムを報告する。早産と関連する分類群は、膣液中の炎症性サイトカインと相関していた。これらの知見は、早産リスク評価のための新たな機会を示している。

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