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がん治療:BRAF変異型黒色腫でのダブラフェニブ、トラメチニブとペンブロリズマブもしくはプラセボの影響

Nature Medicine 25, 6 doi: 10.1038/s41591-019-0448-9

PD-1(programmed death 1)の阻害は、BRAFとMEKの同時阻害によって誘導された抗腫瘍応答の持続性を延長させる可能性がある。今回我々は、治療未経験でBRAFV600E/K変異を持つ進行性黒色腫患者が、BRAF阻害剤ダブラフェニブとMEK阻害剤トラメチニブに加えて、PD-1阻害抗体ペンブロリズマブ(3剤併用、n = 60)もしくはプラセボ(2剤併用、n = 60)の投与を受ける無作為化第2相試験(NCT02130466)を実施した。無増悪生存期間の主要評価項目は、2剤併用グループでの10.3か月と比べた場合、3剤併用グループでは16.0か月と数字の上では改善された(ハザード比 0.66、P = 0.043)。しかし、この試験は統計学的に有意な改善を狙った計画的目標には到達しなかった。3剤併用グループと2剤併用グループでの奏功期間の中央値は、それぞれ18.7か月(95%信頼区間 10.1~22.1)と12.5か月(95%信頼区間 6.0~14.1)であり、奏功の59.8%および27.8%が18か月以上持続すると推定された。グレード3〜5の治療関連有害事象は、3剤併用療法を受けた患者および2剤併用療法を受けた患者の58.3%および26.7%で生じ、発熱、トランスアミナーゼレベルの上昇と発疹が最も多かった。3剤併用療法を受けた患者の1人は肺炎のために死亡した。まとめると、ダブラフェニブ、トラメチニブとペンブロリズマブの3剤併用療法は、ダブラフェニブ、トラメチニブとプラセボを投与された2剤併用療法と比べると、数字的にはより長い無増悪生存期間および奏功期間をもたらしたが、この間にグレード3/4有害事象がより高い頻度で起こったことになる。

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