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結核:結核菌曝露のIFN-γ非依存的免疫マーカー

Nature Medicine 25, 6 doi: 10.1038/s41591-019-0441-3

結核菌(Mycobacterium tuberculosis: Mtb)への曝露は、一次進行性結核症や潜在性結核感染症(LTBI)などの不均一な臨床転帰につながる。Mtb感染はツベルクリン皮膚検査やインターフェロンγ(IFN-γ)遊離試験(IGRA)を使って確認され、陽性の場合には迅速に化学的予防処置を行って結核症への進行を防ぐ。本研究では、TB患者と家庭内接触したウガンダ人コホートについて報告する。被検者はMtbに対する曝露程度が非常に高かったが、IFN-γ遊離試験やツベルクリン皮膚検査の結果は陰性であり、古典的なLTBIの発病に「抵抗性」であった。抵抗性を示すこのような「resister」は、IgM、Mtb特異的タンパク質であるESAT6やCFP10に対するクラススイッチされたIgG抗体応答や非IFN-γT細胞応答という、Mtbに曝露された免疫学的な証拠を有していることが示された。古典的なLTBI患者と比較すると、「resister」は抗体のアビディティーが高く、明確なMtb特異的IgG Fcプロファイルを示した。これらの結果は、Mtbに曝露された個体に見られる明瞭な適応免疫プロファイルを明らかにし、Mtb曝露に対する宿主応答の定義の拡大を確証するものであり、公衆衛生や臨床試験の設計に関係してくるだろう。

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