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がん治療:安全かつ強力な効果のある抗CD19 CAR T細胞療法

Nature Medicine 25, 6 doi: 10.1038/s41591-019-0421-7

抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、重篤なサイトカイン放出症候群(CRS)や神経毒性を引き起こすことがあり、治療への適用が妨げられている。我々は、共刺激性4-1BBとCD3ζドメインを持つCD19-BBzプロトタイプ由来の新しい抗CD19 CAR分子〔CD19-BBz(86)〕を作製した。CD19-BBz(86) CAR T細胞は、強力な細胞溶解活性を保持しながらも、プロトタイプのCD19-BBz CAR T細胞に比べてサイトカイン産生活性が低く、抗アポトーシス分子の発現が高く、よりゆっくりとした増殖を示すことが分かった。我々は、B細胞リンパ腫の患者でCD19-BBz(86) CAR T細胞療法の第1相臨床試験(ClinicalTrials.gov ID NCT02842138)を行った。2 × 108~4 × 108個のCD19-BBz(86) CAR T細胞をそれぞれ投与された11人の患者中6人(54.5%)で完全寛解が認められた。神経学的毒性あるいはCRS(グレード1より大きい)は、投与を受けた25人の患者いずれでも認められなかったことは注目に値する。投与を受けた患者では、完全寛解になった患者を含めて、CAR T細胞輸注後に血清中サイトカインレベルの大幅な上昇は検出されなかった。CD19-BBz(86)CAR T細胞は、in vivoで持続的に増殖し、記憶T細胞へと分化した。従って、新規なCD19-BBz(86) CAR T細胞を用いた治療は、神経毒性や重症のCRSを引き起こすことなく、強力で持続性のある抗リンパ腫応答をもたらし、安全かつ強力な効果のある抗CD19 CAR T細胞療法といえる。

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