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薬剤送達:高分子の経口送達に使えるLUMI

Nature Medicine 25, 10 doi: 10.1038/s41591-019-0598-9

注射による投与が可能なインスリンなどの生物学的製剤は糖尿病患者の治療を一変させたが、患者や医療従事者はより有効性が低い経口投与薬の使用と処方を選ぶことが多い。経口製剤は、皮下投与薬と比べると患者の不快感が少ないうえに高温での化学的安定性が高く、それに加えて、針というバイオハザード廃棄物が生じない。生物学的製剤に対しては経口投与剤形が理想的だが、高分子薬は消化管を介した血流への吸収が容易でない。我々は摂取型のカプセルを開発し、LUMI(luminal unfolding microneedle injector)と命名した。このカプセルは、薬剤を積み込んだ溶解性マイクロニードルを展開用アームセットを用いて腸組織に速やかに押し込むことにより、生物学的製剤の経口送達を可能にしている。このデバイスは、ヒトでのex vivo研究とブタでのin vivo研究を行っていた期間中、組織の厚みを完全に貫通することなく安定的に組織にマイクロニードルを送達した。我々はインスリンをモデル薬剤として使い、4時間にわたってサンプリングを行ったが、LUMIが始動すると、皮下注射の場合に比べて薬物動態学的取り込みプロファイルが速くなり、全身的取り込みが10%以上高くなることが分かった。この装置は、多数のマイクロニードル製剤を積み込むことができるので、高分子薬を治療用量で経口投与するプラットフォームとなると考えられる。

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