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筋ジストロフィー:筋ジストロフィー動物モデルで行われた非免疫原性ウトロフィン遺伝子治療

Nature Medicine 25, 10 doi: 10.1038/s41591-019-0594-0

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)遺伝子の重要な産物は棒状のタンパク質のジストロフィンで、収縮によって引き起こされる損傷から横紋筋細胞を保護する働きをしている。ジストロフィン関連タンパク質(別名ウトロフィン)は、ジストロフィンの構造要素とタンパク質結合要素のほとんどを保持している。DMD患者での正常な胸腺内発現は、中枢性の免疫学的寛容によってウトロフィンを保護すると考えられる。我々は、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターによって送達可能な小型化ウトロフィン(μUtro)をコードするコドン最適化合成導入遺伝子を設計した。本論文では、μUtroが非常に高い機能を持ち、非免疫原性のジストロフィン代替物として、小動物および大動物モデルでの筋ジストロフィーの最も有害な組織学的および生理学的症状を防止できることを示す。ジストロフィン欠損mdx新生仔マウスにAAV-μUtroを全身投与すると、筋壊死と再生の組織学的および生化学的マーカーが成体の体重に至る成長の間を通じて完全に抑制される。ジストロフィン欠損ゴールデンレトリバーモデルでは、μUtroは最も強靭な筋肉でも筋壊死を防止し、毒性は見られなかった。免疫原性の厳密な試験では、欠失によりnullとなったジャーマンショートヘアードポインター・モデルでのμUtroの限局的な発現で細胞媒介性免疫の証拠は見られず、これは同じように構築したμジストロフィン(μDystro)に対するロバストなT細胞応答とは対照的であった。これらの知見は、ウトロフィンを用いる治療法はジストロフィン欠損の臨床治療に使える可能性があるというモデルを裏付けており、使われたウトロフィンは好ましい免疫原性プロファイルを持ち、極度の小型化にもかかわらず機能を保持している。

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