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がん:T細胞受容体レパートリーの空間的な不均一性は肺がんでの変異の全体像を反映する

Nature Medicine 25, 10 doi: 10.1038/s41591-019-0592-2

体細胞変異は免疫編集と共に、非小細胞肺がん(NSCLC)で見られる広範囲にわたる不均一性を誘導する。本論文では、NSCLCの腫瘍内T細胞抗原受容体(TCR)レパートリーの不均一性を調べた。腫瘍内で選択的に増幅していたTCR配列の数は、腫瘍内および腫瘍間でばらついていて、非同義変異の数と相関している。増幅されたTCRは、全ての腫瘍領域で認められるもの(遍在性)と複数の領域に存在するもの(局在性)に分類できた。遍在性と局在性のTCRの数はそれぞれ、腫瘍全体の非同義変異および局在性の非同義変異の数と相関していた。増幅したTCRは、同じような配列のTCRが形成するクラスターの一部を作っていて、これは空間的に拘束された抗原誘導性の過程であることを示唆している。遍在性のTCRを有する腫瘍浸潤性のCD8+リンパ球は、機能障害と組織常在性の表現型を示す。遍在性のTCRは、日常の経過観察の際よりも、腫瘍切除時に血中で検出されることが多い。これらの知見は、養子T細胞免疫療法で使用するために、適切な腫瘍反応性TCRを見つけ出して追跡する非侵襲的な方法を示している。

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