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がん治療:化学放射線療法に対する個別の応答を研究するための直腸がんオルガノイドプラットフォーム

Nature Medicine 25, 10 doi: 10.1038/s41591-019-0584-2

直腸がん(RC)は治療が困難な疾患であり、個々の患者ごとに転帰を最適化するためには化学療法、放射線療法、外科的治療が必要となる。RCでは、患者に関連する基礎研究的疑問に答えるための的確なモデルは存在しない。我々は、原発性、転移性あるいは再発性のRC患者65人に由来するオルガノイド培養(tumoroid)のバイオレポジトリーを設立した。RC tumoroidは、由来する腫瘍の分子的特徴を保持しており、また臨床的に関連する化学療法や放射線治療に対するex vivoでの応答は個々の患者で認められた臨床応答と相関していた。ヒトRC tumoroidをマウスの直腸粘膜へ移植すると、浸潤性のRCが生じ、続いて肺や肝臓への転移が起こった。移植した腫瘍が臨床的に観察された化学療法への不均一な感受性を示したことは重要である。従って、臨床で単離したRCの生物学的性質や薬剤感受性は、オルガノイドを用いたex vivoプラットフォームと動物体腔内でのin vivo増殖とを組み合わせて使うことで、効率よく精査することが可能になるだろう。

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