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がん:CAR活性化能のキャリブレーションは、異なるT細胞運命と治療効果を誘導する

Nature Medicine 25, 1 doi: 10.1038/s41591-018-0290-5

キメラ抗原受容体(CAR)は、T細胞を再プログラム化して強化された抗腫瘍活性を獲得させるための人工受容体である。CD28とCD3ζシグナル伝達モチーフで構成されるCD19特異的CARは、難治性の白血病およびリンパ腫の患者で顕著な応答性を誘導し、米国食品医薬品局によって最近承認された。このようなCARは、T細胞に与える持続性は限られているが、強力な腫瘍排除を引き起こす高いエフェクター機能をプログラムする。細胞の能力を損なわずに機能の持続性を延長できれば、現在のCAR治療の改良が見込まれる。強いT細胞活性化は疲弊を引き起こし、これはCD28とCD3ζシグナル伝達の重複性と第二世代CARの構造によって生じる時空間的制約によって強まるかもしれない。そこで、我々はCD28に基づくCARの活性化能をキャリブレーションしてやれば、T細胞の機能と分化が異なる形で再プログラム化されるだろうと考えた。本論文では、単一のITAM(immunoreceptor tyrosine-based activation motif)をコードするCARが、エフェクタープログラムと記憶プログラムのバランスを取ることによってT細胞を多様な運命に導き、その結果、増強された治療プロファイルを持つようなCAR設計法が得られたことを示す。

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