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免疫:ループス罹患者の血中で増殖したCD4+ T細胞集団はインターロイキン10とコハク酸を介してB細胞ヘルプを行う

Nature Medicine 25, 1 doi: 10.1038/s41591-018-0254-9

自己抗体産生機構が解明されれば、全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患での治療標的の特定が促進されるだろう。濾胞性ヘルパーT細胞(TFH細胞)は、ずっと以前からSLEの病因と関係しているとされてきた。しかし、SLE患者の自己抗体の一部は変異を起こしておらず、これは自己反応性B細胞が胚中心の外でも分化することを裏付けている。本論文では、TFH細胞とは別の、SLE患者の血中および増殖性ループス腎炎患者の尿細管間質領域の両方で増殖したCXCR5CXCR3+PD1(programmed death 1)hi)CD4+ヘルパーT細胞集団について報告する。これらの細胞では、インターロイキン10(IL-10)が産生され、コハク酸によって駆動される逆行型電子伝達が起こった結果として、ミトコンドリアに活性酸素種が蓄積する。さらに、この細胞集団は、IL-21非依存的にIL-10とコハク酸を介してB細胞ヘルプを行う。これと類似の細胞は、酸化型ミトコンドリアDNA〔別のクラスのインターフェロン産生性TLR9(toll-like receptor 9)のリガンド〕で活性化された形質細胞様樹状細胞を用いて、ナイーブCD4+ T細胞のプライミングを行うと、in vitroで生じる。この経路を標的とすれば、SLEで見られる濾胞外での液性応答の始動や存続を抑制できるかもしれない。

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