Review

抗菌剤抵抗性:細菌の抗菌剤抵抗性獲得防止におけるワクチンの役割

Nature Medicine 24, 1 doi: 10.1038/nm.4465

病原性微生物の抗菌剤抵抗性(AMR)獲得とそれに関連する罹患者数および死亡者数は、世界的に警戒レベルにまで増加している。世界保健機構(WHO)はAMRに対して世界全体で行動を取ることを呼びかけ、またこうした行動が政府や保健関係省庁、保健機関によって支援されることを求めている。AMRを食い止めると考えられる解決法は多数が検討され、実行に移されている。これらには、抗菌薬適正使用支援プログラムの強化、新種の抗生物質を設計するための研究・開発への投資拡大、家畜飼育の際の抗生物質使用の削減などが含まれている。しかし、AMRを減らす手段としてのワクチンの使用については、疾患やAMRを低減させる有効性が十分に証明されている場合でも、こうした議論で取り上げられることは従来少なかった。本総説では、AMRに対する世界的規模の闘いに使うもう1つの補足的方法としてのワクチンの価値を、いくつかの例を選んで明らかにすることを試みる。こうすることで、AMR撲滅の努力においてワクチンをどのように使えばさらに有効性が高まるのか、それについての全体的な展望も得られるだろう。

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