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エイズ:ベクター介在免疫予防法はヒト化マウスをHIV粘膜感染から防御する

Nature Medicine 20, 3 doi: 10.1038/nm.3471

新規HIV感染の圧倒的大多数は、性行為の際に起こる粘膜表面を介した比較的非効率なウイルス伝播の結果として生じている。この効率の悪さは、伝播した少数のファウンダーウイルスが異性間感染のほとんどを引き起こしているという結果につながる。感染に対するこうした自然の障壁の存在によって、感染過程のこの段階での阻害を目的とした治療法開発が盛んに試みられるようになった。この戦略は有望であるにもかかわらず、曝露前予防薬のヒトでの臨床試験はあまりうまくいっていない。その一因は、推奨された曝露前治療計画が順守されないことである。これとは対照的に、インフルエンザワクチンやヒトパピローマウイルスのワクチンのような既存のワクチンのいくつかは、粘膜感染を防御する全身性免疫を誘導する。我々は最近、広範囲中和抗体を用いてヒト化マウスでのHIV静脈感染を防ぐベクター介在免疫予防法(VIP)の能力を実証した。本論文では、反復曝露が行われたにもかかわらず、VIPが多様なHIV株の静脈感染と経膣攻撃投与からヒト化マウスを防御できたことを示す。さらに、改変型VRC07抗体を発現するVIPを接種された動物は、異性間で伝播されたHIVファウンダー株の反復膣内攻撃投与に対して完全な抵抗性を示し、VIPがヒト間でのHIV経膣感染の防御に有効である可能性が示唆された。

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