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幹細胞:筋幹細胞集団の若返りは老化し損傷を受けた筋肉の強さを回復させる

Nature Medicine 20, 3 doi: 10.1038/nm.3464

老齢者は進行性の筋力低下や筋再生不全に苦しむことが多い。本論文では、筋再生が加齢に伴って障害され、その一因が骨格筋幹細胞(MuSC)の細胞自律的な機能低下であることを明らかにする。若齢マウス由来のMuSCと比べると、老化マウス由来のMuSCの2/3には本質的な欠陥があり、in vivoでは移植後の筋繊維修復能や幹細胞リザーバーの再構築能が低下していた。このような欠陥は、老化マーカーを発現する細胞の出現率上昇と相関しており、p38αおよびp38βマイトジェン活性化キナーゼ経路の活性上昇が原因である。このような機能低下は、若齢レシピエント筋微小環境への移植によって回復できないことが分かった。対照的に、老齢マウス由来のMuSC集団をp38αおよびp38βを一過性に阻害しながら柔らかいハイドロゲル基質上で培養すると、老齢マウス由来MuSC集団中に残った機能を備えた細胞が迅速に増殖し、その再生能および連続移植能が若返るのに加えて、老齢マウスの損傷を受けた筋肉で筋力が回復する。これらの知見は、生物物理学的合図と生化学的合図の相乗効果を明らかにするもので、こうした効果は老齢者での局所的な自己筋幹細胞治療の枠組みを提供するものだ。

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