Editorial

肥満を病気と認めることは肥満研究を太らせる

Nature Medicine 19, 8 doi: 10.1038/nm.3301

この6月、米国医師会は肥満を疾患として認めることを決議した。こうした認定を下すことは、疾患とはどういう状態を指すのかという定義の問題、肥満の測定基準となっているBMIの適切性といったさまざまな理由から難しいと考えられてきたのだが、WHOや米国FDAはすでに同様の認定を下しており、AMAもそれに遅ればせながら加わったことになる。この決議は非常に多くの影響をもたらすと考えられるが、これから意味のある変革を生み出すには、肥満の原因のさらなる解明、特に肥満の根本原因である脂肪細胞の生物学的研究や、同じ量の体脂肪が異なる代謝応答を引き起こす理由の解明などがなされなければならない。こうした問題を考察していくことで、有害な肥満を判別して治療する有効な方法が開発され、肥満を病気に分類するための確固とした基盤が得られるのである。

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