Perspective

肝臓における自然免疫のC型肝炎ウイルスによる調節

Nature Medicine 19, 7 doi: 10.1038/nm.3253

C型肝炎ウイルス(HCV)は、肝臓の慢性感染などの世界的な公衆衛生問題となっており、こうした慢性感染は肝疾患を引き起こし、肝がんにつながる。ウイルスが持つ自然免疫回避機構やヒトの遺伝的決定因子が、急性HCV感染のウイルス持続感染への移行や慢性感染持続の原因となっている。宿主の遺伝的な要因、例えば宿主のインターフェロン系の遺伝子の1つであるIFNL3の塩基配列多型は、感染の転帰と抗ウイルス治療への反応性の両方に影響することがある。HCVが肝臓内で自然免疫シグナル伝達を調節する仕組みに関する最近の知見は、患者の遺伝的な背景とウイルスおよび宿主の自然免疫を誘導し制御する因子との間には複雑な相互作用があり、それがHCV感染と免疫の転帰を決めていることを明らかにしている。

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