Between Bedside and Bench

壊れたハートを修復する方法:心臓再生は正しい方向に進んでいるのか?

Nature Medicine 19, 4 doi: 10.1038/nm.3158

心筋梗塞は、心筋細胞に回復不可能な損傷を生じさせる場合があり、このような問題が長引くと最終的には心不全につながることがある。幹細胞を心筋細胞へ分化させて、損傷した心臓組織を修復する試みは、10年以上にわたって行われてきたが、限られた成果しかあがっていない。BEDSIDE TO BENCHではC L MummeryとR T Leeが、最近行われた2つの臨床試験と関連して、心臓細胞療法を再評価するための枠組みを示している。これらの臨床試験では、心臓生検で採取した自己心臓幹細胞を患者に移植し、解釈は難しいにしても、期待の持てる結果が得られている。自己骨髄由来成体幹細胞を用いて心臓の再生を誘導するという以前の臨床試験の結果は、心臓再生の研究を慎重に進めるやり方についての議論をつけ加えることになり、基礎研究で早急に答えを出す必要のある疑問を増やした。BENCH TO BEDSIDEではY-J Namたちが、心臓繊維芽細胞はmiRNAと「転写因子カクテル」によって再プログラム化して心臓遺伝子を発現させることが可能で、結果として実験動物の心機能を改善できることを示した、齧歯類を用いて行われた最近のいくつかの研究について論じ、損傷した心臓組織を修復するための新しい方法を示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度