Perspective

マラリア:マラリアの制圧と撲滅における公衆衛生上の難問とその見通し

Nature Medicine 19, 2 doi: 10.1038/nm.3077

この10年間、マラリア制圧にはこれまでなかったほどの努力が注ぎ込まれてきた。再度の政治的介入や財源投入が行われ、治療戦略や治療手段は古いものも新しいものも含めてずっと利用しやすくなった。しかし、マラリアは今なお主要な健康負荷となっており、アフリカでは特にそれが著しい。多くの医療制度にみられる脆弱性、殺虫剤や薬剤に対する耐性の出現、予想される財源減少と主要な治療的介入手段が使える範囲の縮小は特に、もし適当な代替手段がとられないとするなら、緊急な対処が必要である。さらなる研究や開発もまた、重要性を増しつつある。これら以外にも、マラリアによる負荷を推定および追跡する一般的な方法、伝播防止のための新しい戦略、免疫機構の理解を深め、薬剤や殺虫剤に対する耐性出現の機構やその影響の解明を進めることなどが、とくに喫緊の課題として注目される。新規抗マラリア薬、より感度が高く迅速に実施できるポイントオブケア診断テスト、あるいは新規殺虫剤などについて現在進行中の研究や開発の試みには、これまでにないアイデアやさらなる強化が必要だろう。こうした取り組みにおいては、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)だけでなく、これまで放置されてきた三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)にも着目すべきであることは自明である。これらの難問題に、包括的かつ時宜に適した対処をすることができれば、現在までの成果を維持し、マラリアの制圧と段階的な撲滅をさらに進められるだろう。

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