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がん:乳がん細胞でのIrf7経路のサイレンシングは免疫回避を介して骨転移を促進する

Nature Medicine 18, 8 doi: 10.1038/nm.2830

乳がんの転移は患者の長期生存の主要な決定要因である。自発的な骨転移のマウスモデルでの原発性腫瘍細胞と転移性腫瘍細胞のトランスクリプトームの比較から、骨転移で抑制されている遺伝子のうちの相当数が、インターフェロン調節因子Irf7の標的であることがわかった。腫瘍細胞でのIrf7発現の回復、あるいはインターフェロン投与は、骨転移の減少と生存期間延長につながった。インターフェロン(IFN)受容体、あるいはナチュラルキラー(NK)細胞応答とCD8+ T細胞応答を欠損するマウスでは転移が加速しており、このことはIrf7による転移抑制が宿主免疫細胞へのIFNシグナル伝達に依存することを示している。これらの知見の臨床との関連は、800人以上の患者で立証された。すなわち、これらの患者では原発性腫瘍でIrf7が調節する遺伝子の発現レベルが高いことが骨転移の見られない長期生存と関連していた。この遺伝子シグネチャーによって、IFNを用いる治療が有効と思われる患者を明らかにできる可能性がある。したがって、乳がん細胞に備わっている自然免疫経路で、その抑制によって免疫監視が制限され、転移が可能になるものが突き止められた。

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