Review

脳:神経疾患におけるエピジェネティックな機構

Nature Medicine 18, 8 doi: 10.1038/nm.2828

脳のエピゲノムはさまざまな種類のDNAメチル化および共有結合性のヒストン修飾からなり、その研究からは神経発生、神経疾患や老化の機構について、前例のない知見が得られている。従来、脳でのクロマチン異常は発生初期に起こった静的な病変で、稀な遺伝学的症候群に関連して生じたとみなされていた。しかし現在、エピジェネティック装置の変異や適応不全が、成人発症の神経変性疾患を含む、ずっと広い範囲の疾患に影響を与えることが明らかになっている。本総説では、ニューロエピジェネティクスにおける最近の進歩が、発達障害や脳の変性疾患の発症機構の解明にどのように役立つのかを述べ、また、それらがこのような神経疾患の今後の治療開発にどのように影響を与え得るのかについて論じる。

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