Technical Report

画像化法:光音響と超音波を併用して内臓器官をin vivoで観察する機能的内視鏡

Nature Medicine 18, 8 doi: 10.1038/nm.2823

現在の臨床で超音波内視鏡は、罹患臓器に治療的解決をもたらすさまざまな介入的処置の1つとして日常的に使われている。超音波内視鏡は、高分解能の画像が得られるだけでなく、臨床で安全に使用でき、応用範囲も広い。しかし、軟組織の画像化に関しては、機械的振動を使って得られる画像コントラストが、特異な生理的機能情報を得る能力を根本的に制限している。対照的に、光音響内視鏡は、機能に関する光学的コントラストと臨床に適した深さでの高い空間的分解能というユニークな組み合わせが、軟組織の画像化に理想的といえる。このような特質をもつ光音響内視鏡は、現在の超音波内視鏡の限界を越えることが可能である。そのうえ、光音響法による画像化の利点は、既存の超音波内視鏡の機能を犠牲にして達成されるわけではない。つまり、光音響内視鏡システムは超音波画像化法と本質的に共存可能であり、相補的コントラストが得られるマルチモダリティー型の画像化が可能になる。本論文では、光音響と超音波を併用するデュアルモード内視鏡について報告し、in vivoでの内臓器官画像化能力を示して、その臨床応用の可能性を明らかにする。

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