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黄斑変性症:加齢性黄斑変性症でNLRP3はドルーゼン成分によるIL-18の誘導を介して防御的役割を果たしている

Nature Medicine 18, 5 doi: 10.1038/nm.2717

加齢性黄斑変性症(AMD)は世界的に中心視力喪失の主要な原因となっている。ドルーゼンの蓄積は、AMDの萎縮型と滲出型の両方に共通して見られる主要な病理学的特徴である。免疫系の活性化が疾患進行に関係すると考えられているが、関与する経路はわかっていない。本論文では、AMD罹患ドナーの目から単離したドルーゼンが、NLRP3(NACHT, LRR and PYD domains-containing protein3)インフラマソームを活性化し、インターロイキン1β(IL-1β)とIL-18の分泌を引き起こすことを示す。また、ドルーゼンの成分であるC1QもNLRP3インフラマソームを活性化する。さらに、AMDのバイオマーカーの1つで、酸化的ストレスに関連したタンパク質修飾であるカルボキシエチルピロール(CEP)は、このインフラマソームをプライミングする。萎縮型AMD様の病態モデルである、CEPを付加したマウス血清アルブミンで免疫されたマウスの網膜では、活性化マクロファージ中に切断されたカスパーゼ1およびNLRP3が見つかった。滲出型AMDのマウスモデルであるレーザ誘発性脈絡膜血管新生(CNV)は、Nlrp3–/–マウスでは悪化しているが、Il1r1–/–マウスでは悪化が見られないことがわかった。このことから、IL-18はCNVの進行調節に直接関与していると考えられる。これらの知見は、NLRP3およびIL-18がAMDの進行過程で防御的役割を果たしていることを示している。

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