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腎疾患:HIPK2が腎繊維症の重要な調節因子である
ことのシステム生物学の手法による確認

Nature Medicine 18, 4 doi: 10.1038/nm.2685

腎繊維症はよく見られる過程で、多様なタイプの腎臓病の進行を引き起こす。我々は、計算的および実験的システム生物学を統合した手法を用いて、尿細管間質性繊維症および糸球体硬化症の両方を有するヒト免疫不全ウイルス(HIV)遺伝子導入マウス(Tg26マウス)の腎臓で遺伝子発現変化を調節するプロテインキナーゼ群の同定を行い、HIPK2(homeo-domain interacting protein kinase 2)が腎繊維症の重要な調節因子であることを突き止めた。HIPK2は、Tg26マウスの腎臓や、多様な腎疾患の患者の腎臓で発現が上昇していた。HIV感染は、HIPK2タンパク質の濃度を、酸化ストレスを促進することにより上昇させる。酸化ストレスはSIAH1(seven in absentia homolog 1)を介するHIPK2のプロテアソームでの分解を阻害する。HIPK2はp53、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)-Smad3(SMAD family member 3)およびWnt-Notchシグナル伝達経路の活性化により、腎臓上皮細胞におけるアポトーシスや上皮-間葉転換マーカー発現を誘導した。Tg26マウスでHIPK2をノックアウトすると、腎機能の改善、タンパク尿および腎繊維症の軽減が認められ、他の腎繊維症モデルマウスでも同様の結果が見られた。したがって、HIPK2は抗繊維症治療の標的となりうると我々は考える。

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