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免疫:腸内細菌病原体に対する自然免疫系17型ヘルパーT応答の同定

Nature Medicine 17, 7 doi: 10.1038/nm.2391

インターロイキン17(IL-17)は、炎症や抗微生物防御に関与する中心的なサイトカインである。感染成立後には、自然免疫および適応免疫の両方によるIL-17応答が生じることが報告されているが、自然免疫におけるIL-17誘導にかかわる細胞種、およびそのin vivo応答への関与についてはよくわかっていない。今回我々は、シトロバクター(Citrobacter)およびサルモネラ(Salmonella)感染により、早期にIL-17産生が誘導されること、それが宿主防御に非常に重要であり、CD4+ヘルパー T細胞によって媒介されることを見いだした。腸内の自然免疫系17型ヘルパーT細胞(iTH17)応答は主に盲腸で起こり、Nod様受容体Nod1とNod2に依存していて、IL-6の誘導を必要とし、また粘膜CD103+樹状細胞の減少と関連していた。さらに、腸内細菌叢によるインプリンティングがiTH17応答の発生に必要不可欠であった。これらの結果は、Nod- iTH17経路が腸の病原体制御にかかわる中心的な要素であることを明らかにしており、これは炎症性腸疾患の発症におけるNodに駆動されるiTH17応答に関与している可能性がある。

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