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がん:がん放射線療法下でのカスパーゼ3を介した刺激による腫瘍細胞の再増殖

Nature Medicine 17, 7 doi: 10.1038/nm.2385

がん治療では、アポトーシスは細胞傷害性物質が腫瘍細胞を殺す機序であることが広く認められている。本論文では、死につつある腫瘍細胞がアポトーシス過程を使って強力な増殖刺激シグナルを生じさせ、放射線療法下にある腫瘍の再増殖を促進することを報告する。また、アポトーシス実行に重要な活性化されたカスパーゼ3がこの増殖促進にかかわっている。カスパーゼ3が調節する下流エフェクターの1つはプロスタグランジンE2で、これが、生き残った腫瘍細胞の増殖を強く促進する。腫瘍細胞または腫瘍間質でカスパーゼ3を欠損させると、異種移植片あるいはマウス腫瘍で、放射線療法に対する腫瘍の感受性が相当度上昇した。がん患者では、腫瘍組織中の活性化型カスパーゼ3の量が多いことが、再発率および死亡率の著しい上昇と相関している。細胞死によって誘発される腫瘍再増殖経路が存在し、この経路ではカスパーゼ3が重要な役割を担っていると我々は考える。

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