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神経筋疾患:筋萎縮性側索硬化症患者でのデクスプラミペキソール(KNS-760704)の有効性

Nature Medicine 17, 12 doi: 10.1038/nm.2579

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、上位および下位運動神経の機能障害および消失、急速に進行する筋力低下と萎縮、死亡を特徴とする。ALSの病因には、ミトコンドリアの機能障害などの多くの要因が寄与していると考えられている。リルゾールはALSに対して唯一承認されている治療薬であるが、生存期間延長に対して中等度のベネフィットが示されているのみで、筋力または機能に対する有効性は立証されていない。我々はALS患者を被験者として、ミトコンドリア修飾薬と考えられるデクスプラミペキソール〔KNS-760704;(6R)-4,5,6,7-テトラヒドロ-N6プロピル-2,6-ベンゾチアゾール-ジアミン〕の2部構成二重盲検安全性および耐容性試験を、機能衰退および死亡率に及ぼす影響に対する予備試験と共に実施した。第1部では、デクスプラミペキソール投与(1日当たり50、150または300mg投与)の影響を、プラセボを対照として12週間にわたって評価した。第2部では、4週間の単盲検プラセボウォッシュアウトに続いて、同じ被験者を1日当たり50mg投与群または1日当たり300mg投与群に再無作為化し、24週間の積極治療による2重盲検試験を実施した。デクスプラミペキソールには安全性および高い耐容性が認められた。第1部では、改訂版ALS機能評価尺度(ALSFRS-R)における機能低下の勾配が用量依存的にゆるやかになる傾向が示され、第2部では、ALSFRS-Rのベースラインからの変化および死亡率についての結合ランク検定で2群間に統計的に有意な差(P=0.046)が認められたことは、ALSに対するデクスプラミペキソールの効果の検証をさらに進めることを強力に支持する結果である。

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