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がん:miR-141とmiR-200aは酸化ストレス応答の制御により卵巣での発がんに作用する

Nature Medicine 17, 12 doi: 10.1038/nm.2512

酸化還元状態の調節が悪性腫瘍に重要な役割を果たしていることは実証されているが、腫瘍の予後に対するその影響はまだ解明されていない。本論文では、酸化ストレスとマイクロRNAのmiR-200ファミリーとの間にクロストークがあって、これが発がんや薬剤感受性に影響を与えていることを明らかにする。miR-141とmiR-200aはp38αを標的とし、酸化ストレス応答を調整する。これらのマイクロRNAの発現上昇はp38α欠損を模倣するものになり、マウスモデルで腫瘍増殖を促進するが、その一方で化学療法剤に対する反応性を改善する。miR-200aを蓄積している高悪性度ヒト卵巣腺がんではp38αが低濃度で、それに伴う酸化ストレスの徴候が見られる。miR-200a依存性ストレス応答の徴候は、治療に対する反応性に関しては患者の生存率改善と相関している。したがって、ストレスにおけるmiR-200aの役割は卵巣がんで臨床的予後予測のためのマーカーになる可能性がある。さらに、酸化ストレスは腫瘍増殖を促進するが、同時に腫瘍の治療反応性をも高めており、このことは抗酸化剤が臨床試験で限られた成果しか収めていない理由を説明できるかもしれない。

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