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がん:乳がん女性患者由来の腫瘍移植片は、腫瘍の病理学的特性や増殖、転移、疾患転帰を忠実に反映している

Nature Medicine 17, 11 doi: 10.1038/nm.2454

新しいがん治療法の開発や前臨床試験は、腫瘍の増殖や転移性進行を忠実に再現するin vivoモデルが乏しいことに制約を受けている。本論文では、乳がん治療を受けている患者に直接由来する、移植可能な腫瘍という形の乳がん増殖・転移の新モデルを報告する。このような腫瘍移植片はヒト乳がんの多様性をよく表しており、特異的部位への転移など、元の腫瘍の基本的特徴を維持している。初代培養ヒト間葉系幹細胞を同時生着させることで、腫瘍移植片の表現型の安定性が維持され、血管新生が促進されて腫瘍増殖が盛んになる。また、腫瘍生着は、新たに診断された乳がんをもつ女性での転帰の予後指標になることもわかり、同所的乳がん移植は、腫瘍の増殖、転移、予後の個別化モデルの作製に向かう一歩となる。今回創設されたこの腫瘍移植片バンクは、乳がんの生物学的特性の研究を行うための新しいモデルの一般に利用可能な供給源である。

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