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結核:組換えスメグマ菌は結核菌に対する強力な殺菌免疫応答を誘発する

Nature Medicine 17, 10 doi: 10.1038/nm.2420

本論文では、マイコバクテリア属細菌の進化的に保存された一連の遺伝子を含むesx-3領域が、自然免疫による殺菌の回避に関与していることを報告する。マイコバクテリア属の細菌で急速に増殖するスメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)の完全なesx-3遺伝子座をもつものをマウス静脈内に大量投与して感染させると、マウスは迅速に死亡するが、スメグマ菌のΔesx-3変異株(ここではIKE株とする)の感染では、MyD88依存的な殺菌免疫応答による細菌の増殖抑制と除去が起こった。結核菌(Mycobacterium tuberculosis)のオーソロガスesx-3遺伝子を導入したIKE株(IKEPLUS株と命名)は、自然免疫による殺菌作用に対する感受性を維持しており、マウスでの感染力は大幅に低下したが、強毒性結核菌による攻撃誘発に対する殺菌免疫応答を大きく刺激することがわかった。このような適応免疫応答の解析から、IKEPLUS株によって引き起こされる非常に防御力の高い殺菌免疫応答は、CD4+記憶T細胞に依存しており、CD4+細胞によるサイトカイン応答のパターンにはっきりした変化が起こっていることが示された。我々の結果は、マイコバクテリア属細菌の感染性の促進にesx-3遺伝子座がかかわっていることを確証し、IKE株が結核菌に対する防御性免疫を誘導する強力なワクチンベクター候補となる可能性を明らかにしている。

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